突然ですが、「9250」という数字を見て、何を思い浮かべますか?普通は何も思い浮かびません。ただ、タイトルに「文字コード」という単語が含まれているので、「いずれかの文字を表すコードだろう」と思った方はいるかもしれません。その通りで、「9250」とはJISコード(文字コードの1種)でひらがな「あ」を表す数値です。

文字コードとは?

文字コードとは、大雑把に説明すると、「ひらがなやアルファベットなどの文字に割り振られたコード(数値)」のことです。場合によっては文字とコードの対応ルールを総称して文字コード、あるいは「〇〇コード」と呼ばれることもあります。文字コードにはいくつもの種類があり、代表的なものを下記に列挙しておきます。

<〇〇コードの代表例>

  • ASCIIコード:アルファベットや数字などの半角文字のコード
  • JISコード:ASCIIコードにひらがなや漢字などの全角文字を加えたコード
  • Shift_JIS:JISコードの全角文字シフトさせた文字コード(半角はそのまま)
  • Unicode:国際的な業界の標準コード
  • UTF-8,UTF-16:Unicodeを実装した符号化方式のコード

文字コードごとに数値と文字の対応が決まっており、文字がわかっていれば文字コードに変換できますし、文字コードがわかっていれば文字を変換できます。

文字コード→文字に変換できるのがCHAR関数

CHAR関数はそもそも、英語の「Character(意味:文字)」に由来する関数です。(「character」には「人の性格、キャラクター」という意味もあります。こちらの意味のほうが私達、日本人には馴染みがあると思います)

CHAR関数はエクセルで「=CHAR (文字コード)」の形で使用し、文字コードを文字に変換してくれます。対応している文字コードはASCIIコードとJISコードだけで、それ以外の文字コードでは機能しないので注意してください。

CHAR関数の書式=CHAR (文字列)
対応Version365、2019、2016、2013、2010

CHAR関数の「文字コード」について

「文字コード」には、ASCIIコードとJISコードの文字コードを指定します。必須項目となっているので、”文字コード”という形で直セル指定するか、セル参照で指定するかを使用状況に合わせて選択してください。

なお、文字コードではない数値を指定した場合には「#VALUE!」エラーが表示されます。

CHAR関数の具体的な使い方

①CHAR関数を使える状況を準備します。

ここではCODE関数で求めた文字コードがCHAR関数によって元の文字に再変換されるのかを確認する例になっています。

②CHAR関数を使いたいセルに「=CHAR (」と入力します。

③「文字列」を指定します。

ここでは「E3」セルを参照する形で指定しています。

④「Enter」を押し、表示された結果を確かめます。

表示された結果はひらがな「あ」なので、元の文字列「あ」(C3セル)と一致しました。

⑤他のセルにもCHAR関数を反映させます。

他のセルにもCODE関数を反映させて、元の文字列とCHAR関数の結果が一致するのかを確かめてみます。

特殊なものを除き、一致していることが確認できました。

CHAR関数が活躍する場面

正直、普段エクセルを使う際にCHAR関数が活躍する場面はあまり多くありません。そんな中で、セル参照や直接文字入力で指定できない「セル内改行」を扱う際にはCHAR関数が活躍します。

CHAR(10)は「セル内改行」を意味しており、セル内改行を検索したり(FIND関数SEARCH関数など)、セル内改行を置換したり(SUBSTITUTE関数、REPLACE関数など)する際に役立ちます。

逆の「文字→文字コード」の変換はCODE関数

例でも触れましたが、CHAR関数の逆の変換、「文字→文字コード」の変換はCODE関数で行うことができます。CODE関数について詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。